カテゴリ:本( 21 )

何者

日本アカデミー賞が決定した。
常連が顔を揃え、変わり映えのしない印象の中、
沢尻エリカは異色だったけれど、
最優秀作品賞は朝井リョウ原作「桐島、部活やめるってよ」が受賞した。

新人賞を取った2人の若い俳優さんと、
斬新な切り口の吉田大八監督が壇上に並び、
何ともスカッとした受賞式になった。

そして今、私は今年の直木賞受賞作を読んでいる。
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デビュー作「桐島、部活やめるってよ」を読んで以来、
すっかり朝井リョウワールドに魅了されてしまったワタシ。
実際、若者だけでなく、
青春が過去のものになった世代にも読まれているのではないかと思う。
小道具は変わっても、自分の「その頃」を思い出させるものがある。
と言うか、「その頃」に戻してくれるものがある。

まだ読み始めたばかりだが、期待を裏切らないはずだ。


アカデミー賞が決まった日。
わが家の1日1ワンコカレンダーはボーダーコリーだった。
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Border Collies,
whose nature is to herd,
love to be given a task.



うちの自称ボーダーコリー系mixは
確かにすごい運動量を誇っている045.gif
フラットは骨が細いため、
3歳くらいまでは激しい運動はよくないということだったが、
マシューは主人ともう自転車で散歩をしている。
結構ダッシュが効くらしい。疲れ知らずであることは間違いない。

でも、小学生が楽しそうに下校する姿にパニクる。
玄関のピンポンがなると怖い。

君は何者?!
何かお仕事できるんですか?

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by brighten-s | 2013-03-10 15:35 | | Comments(6)

明日へ

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震災の2カ月前に見た
ロンドンO2で行われたレミゼラブル25周記念コンサートの映像。
それがずっと心に響いていた。

未曾有の災害、今も残る原発の脅威、
政治不安、経済崩壊、社会の閉塞感の中で、
今、どうしても見たかった映画、新しい年を迎える前に。

名曲の数々に浸り、感動したいと思っていた気持ちは、
初めから圧倒的な迫力で迫る困難、貧しさ、飢え、寒さに打ち砕かれる。
人間の愚かさ、醜さもリアルに描かれている。
そこに浮かび上がるのは生きることの現実だ。

時代の波は人々の希望も押し流す。
でも、生きなければいけない。
日常の小さな喜びや、人の温もりに触れながら、だれかを愛し、
何度希望を失っても、また歩き出さなければいけない。

それは今も同じ。
パンのために戦う時代は終わったけれど、
みな何かと戦っている。
希望がかなったとしても、その先にどんな壁が待っているのかだれも知らない。
たとえそうでも、前を向いて歩いて行きたい。




悲しみにくれている人、孤独にふるえている人、迷い疲れている人にとって、
新しい一年が希望の持てる毎日になりますように。
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by brighten-s | 2012-12-30 22:48 | | Comments(0)

同じ気持ち

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サラちゃん。ボルゾイの1歳の女の子です。

スーパーの駐車場近くで見かけ、声をかけたら、
偶然知り合いの方で、話し込んでしまいました。

ネコを見つけて追いかけようとしたり、
植え込みに顔を突っ込んだりと、まだまだ幼いサラちゃんですが、
この立ち姿。何ともカッコイイ012.gif

飼い主さんは以前ラブラドールとセッターを飼った経験があり、
17年のワンコなし生活を経て、サラちゃんを飼ったとのこと。
そういう話を最近よく聞いて、
みんな別れの辛さは身に染みているけど、
「やっぱり犬が飼いたくて」と言います。





アンディが亡くなって1カ月。
図らずも、その日の前後に見たDVDは喪失から再生の物語でした。

「ラビット・ホール」
幼い息子を交通事故で亡くした夫婦の物語。
ニコール・キッドマンが、アカデミー主演女優賞にノミネートされた作品です。

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
9・11で父親を亡くした少年の物語。
トム・ハンクスとサンドラ・ブロックの共演で、
これもアカデミー作品賞にノミネートされた作品です。
少年役のトーマス・ホーンがすごくいい!

突然の家族の死。
それを事実として認識し、受けとめ、自分の中で消化するには
たくさんのエネルギーと多くの時間、
そして辛い気持ちをはき出せるだれかが必要。

そのプロセスを主人公とともに画面で辿るとき、
とても自分の気持ちに近いものを感じました。

ラビット・ホールで、おばあちゃんの言葉。
「岩のような大きな悲しみは、やがてポケットの中の小石に変わる」
なくなったと思っても、手を入れるとそこにある。

みんな、多かれ少なかれポケットに小石を入れて生きていくんだな。
岩だと持って歩けないけど、小石なら歩ける。
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by brighten-s | 2012-11-12 19:28 | | Comments(2)

犬のいる人生

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平成16年の文藝春秋特別版。
8年前だから、アンディが3歳のときにこれを買い、
以来何度となく手に取って読み返している。

各界の著名人が愛犬との暮らしを綴っていて、
まあ、親ばかぶりを発揮しているとも言え、ほほえましい。

「犬を飼っていたところで特別のことがあるわけではない。
それどころか毎日の食事の世話とか、病気の心配とか、
朝夕の散歩など、厄介なことの方が多いのだが、
それでも私と妻が30年も犬と共に暮らし続けてきたのは、
犬というものがわが家にいることが、
何とも言えぬ心の喜びを与えてくれるからであった。
それは一言で言えば、
こちらの愛したいという本能を呼び起こす生き物がそこにいて、
愛を受けとめ、向こうもまた正価でそれに応じる。
その辺の心の通い合いが何とも言えずいいということになる。」

これは「ハラスのいた日々」の著者中野孝次の話。
文学者で何冊も本を書いたが、ハラスの本が一番売れたらしい。

ここを読むと、突如として形のなかった感情が私の前に言葉として現れ、
いつも心が溶け出すような感じがする。


みな愛犬との辛い別れを経験し、それが深く残っていることが、
今読み返してみるとよくわかる。


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アンディが天国に旅立ってすぐは、どの犬を見ても心が動かなかった。
元気なときは、あの子もかわいいこの子もかわいいと思ったけれど、
全然興味がなくなった。
1週間くらい経って、犬に会いたいと思ってペットショップに立ち寄ったとき、
小型犬がチョロチョロ動いているだけで泣きそうになった。
昨日、買い物帰りに駐車場で久しぶりに大型犬を見たとき、
無性に懐かしい気持ちになって、連れて帰りたくなった。

いろんな気持ちになるんだなあ。
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by brighten-s | 2012-10-20 08:59 | | Comments(6)

懐かしき

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押し入れの奥に押し込んであった段ボール箱。
その中にずっとしまってあった子どものころに読んだ本。

取り出すたびに「捨てられないなあ」と思って、またしまっていた。
でも、今度ばかりは「エイッ!」と手離すことにした。

そう思ったのは、
このまま段ボールの中にしまわれて、
私がいつか死んだとき、
家族がたくさんある本の1冊として、ごく当たり前のように処分するとしたら、
それはとても寂しいと思ったから。
かと言って、代々読み継ぐべし、なんて言うつもりもないし。

大人になって一度も読み返していないから、
そんなに思い入れがあるとも言えないかもしれないけど、
でも、こどものころの楽しい読書の思い出の1冊がこれ。
一人っ子だったので、隣り合った3軒の6人の子どもたちのお話に、
とてもワクワクしてうらやましかった。

幸せな時間をありがとう035.gif
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by brighten-s | 2012-03-29 18:34 | | Comments(4)

ヴェネツィア

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2012年の本屋大賞にノミネートされた「ピエタ」。
ヴィヴァルディの死、という出来事から始まる物語。
ヴェネツィアが生んだ偉大な作曲家に関わる人々から、
その時代を生きたそれぞれの人生が少しずつひもとかれる。

だれも思い通りに生きられる人はいない。
生まれた家や育つ環境、能力、時代、
そばにいる人によって人生は大きく変わる。
それらを全部引き受けて、胸に納めて、前に進んでいく。
遠いイタリアの小さな町でも、みんなそうなんだ。

折しも、カーニバルのおみやげのマスクが届き、
マスクをつけて身分を隠し、
自らの出生を探るエミーリアのことを思いました。
身分という枠にまだ縛られていた18世紀、
カーニバルの時期にこのマスクは
たくさんの心躍る体験を人々にもたらしたことでしょう。

l'estro armonico
作品のモチーフになっているヴィヴァルディの協奏曲です。
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by brighten-s | 2012-02-26 18:12 | | Comments(3)

朝散歩

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今年初めての朝散歩当番です070.gif
もうお正月気分も抜けちゃったけど...
昨日の夕方少し小雪が舞って、今朝は風が冷たい。
でも、気持ちがいい朝散歩。
こんないつもと変わらない穏やかな朝がまた巡ってくるということは、
それだけで感謝なことですね。

いつもと変わらない、いやちょっと違っていることに気がつきました?
アンディのカラーが取れました。
と言うか、取ってしまいました...
お正月だからゆっくりしたいもんね029.gif
目薬は頑張ろうね。


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お正月に読んでいた本。
2010年のニューベリー賞受賞作品です。
少女ミランダが、こんがらがった日常のいろいろを、
不思議なメモをきっかけに乗り越え成長していく物語。

「出会う」ということは大きな刺激を与えてくれる、いいようにも悪いようにも。
「出会う」は自分から向かっていくように受け取れるけど、
原題は「When you reach me」。
向こうから近づいて来てくれるんだ!と気付きました。
私を見つけてくれる、思ってくれる、心にかけてくれるだれか。
視点を変えてくれた本でした。
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by brighten-s | 2012-01-05 12:45 | | Comments(2)

くじけずに

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朝の連続テレビ小説で、
陽子先生が大切にしていた詩が心に残り、
読んでみました。

本自体は子供向けで様々な人の生き方を集めたもの。
最後のパナマ運河を築いた人の話が胸を打ちました。
地形、技術、コスト、風土病…幾多の試練を乗り越えて、
たくさんの犠牲を払い、
粘り強いリーダーたちによって、
不可能に思えた計画が完成したのです。

最近もう一冊読んだのが三浦綾子の「泥流地帯」。
大震災が起きた今だからこそ読むべきと教えられ、
三浦文学を初めて読みました。

十勝岳の大噴火でやっとつかんだ幸せも奪われる。
でも主人公の兄は熔岩の原で、
もう一度農業をすると誓う。
「報われない苦労は人生の宝だ」
兄のような生き方が真の生き方ではないかと思いました。

  「天には黒くも、
   地には争いが絶えなかろうと、
   いつも心に太陽を持て」
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by brighten-s | 2011-08-11 16:19 | | Comments(0)

つながり

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学生時代、福永武彦を愛読していました。

10年ほど前、初めて北海道を訪れ、
広い大地に何とも言えない寂しさを感じました。
歴史博物館やアイヌ部落に行ったことが印象を強めたかもしれません。
帰宅後、すぐに朝日新聞で連載されていた「静かな大地」を買い求めました。
その語り口や世界観がとても馴染み、
久々に手元に置きたい1冊になりました。

著者池澤夏樹、その人が福永武彦の息子であったことを去年知りました。
「ああ、そうだったのか」
それによって、私の中にあるものも変わってないことがわかり、
少なからず驚いたものです。

昨年末に図書館で池澤夏樹のエッセー集を借りました。
「風神帖」
その中に星野道夫と須賀敦子への評論がありました。
2人とも私の好きな作家です。
評論と言うより、友人としての温かいまなざしに満ちたレクイエム。
読みながら、どうしてこんなに心に染みいるんだろうと、
思いも寄らなかったつながりの発見に感激しました。
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by brighten-s | 2011-01-06 12:10 | | Comments(0)

じんわり

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漫画はあんまり得意ではないけれど、
「夕凪の街桜の国」を勧められて、
読んだら不思議な感情が湧きました。
いつもは通り過ぎてしまう気持ちに
気付いたというか…

これはやはり広島の原爆を題材に
少し離れた呉市の暮らしから描いています。
戦争がいかに人々の生活を脅かしたか。
その中で、みんながどれだけ人間的に生きたか。

「この広島で、よう生きとりんさったね」
生きること、再び会うこと、助け合うこと、
それがどれだけ尊いかを教えてもらいました。

台詞のないコマが
なんでこんなに心にしみるんだろう。
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by brighten-s | 2009-12-05 12:32 | | Comments(0)