カテゴリ:本( 18 )

犬のいる人生

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平成16年の文藝春秋特別版。
8年前だから、アンディが3歳のときにこれを買い、
以来何度となく手に取って読み返している。

各界の著名人が愛犬との暮らしを綴っていて、
まあ、親ばかぶりを発揮しているとも言え、ほほえましい。

「犬を飼っていたところで特別のことがあるわけではない。
それどころか毎日の食事の世話とか、病気の心配とか、
朝夕の散歩など、厄介なことの方が多いのだが、
それでも私と妻が30年も犬と共に暮らし続けてきたのは、
犬というものがわが家にいることが、
何とも言えぬ心の喜びを与えてくれるからであった。
それは一言で言えば、
こちらの愛したいという本能を呼び起こす生き物がそこにいて、
愛を受けとめ、向こうもまた正価でそれに応じる。
その辺の心の通い合いが何とも言えずいいということになる。」

これは「ハラスのいた日々」の著者中野孝次の話。
文学者で何冊も本を書いたが、ハラスの本が一番売れたらしい。

ここを読むと、突如として形のなかった感情が私の前に言葉として現れ、
いつも心が溶け出すような感じがする。


みな愛犬との辛い別れを経験し、それが深く残っていることが、
今読み返してみるとよくわかる。


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アンディが天国に旅立ってすぐは、どの犬を見ても心が動かなかった。
元気なときは、あの子もかわいいこの子もかわいいと思ったけれど、
全然興味がなくなった。
1週間くらい経って、犬に会いたいと思ってペットショップに立ち寄ったとき、
小型犬がチョロチョロ動いているだけで泣きそうになった。
昨日、買い物帰りに駐車場で久しぶりに大型犬を見たとき、
無性に懐かしい気持ちになって、連れて帰りたくなった。

いろんな気持ちになるんだなあ。
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by brighten-s | 2012-10-20 08:59 | | Comments(6)

懐かしき

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押し入れの奥に押し込んであった段ボール箱。
その中にずっとしまってあった子どものころに読んだ本。

取り出すたびに「捨てられないなあ」と思って、またしまっていた。
でも、今度ばかりは「エイッ!」と手離すことにした。

そう思ったのは、
このまま段ボールの中にしまわれて、
私がいつか死んだとき、
家族がたくさんある本の1冊として、ごく当たり前のように処分するとしたら、
それはとても寂しいと思ったから。
かと言って、代々読み継ぐべし、なんて言うつもりもないし。

大人になって一度も読み返していないから、
そんなに思い入れがあるとも言えないかもしれないけど、
でも、こどものころの楽しい読書の思い出の1冊がこれ。
一人っ子だったので、隣り合った3軒の6人の子どもたちのお話に、
とてもワクワクしてうらやましかった。

幸せな時間をありがとう035.gif
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by brighten-s | 2012-03-29 18:34 | | Comments(4)

ヴェネツィア

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2012年の本屋大賞にノミネートされた「ピエタ」。
ヴィヴァルディの死、という出来事から始まる物語。
ヴェネツィアが生んだ偉大な作曲家に関わる人々から、
その時代を生きたそれぞれの人生が少しずつひもとかれる。

だれも思い通りに生きられる人はいない。
生まれた家や育つ環境、能力、時代、
そばにいる人によって人生は大きく変わる。
それらを全部引き受けて、胸に納めて、前に進んでいく。
遠いイタリアの小さな町でも、みんなそうなんだ。

折しも、カーニバルのおみやげのマスクが届き、
マスクをつけて身分を隠し、
自らの出生を探るエミーリアのことを思いました。
身分という枠にまだ縛られていた18世紀、
カーニバルの時期にこのマスクは
たくさんの心躍る体験を人々にもたらしたことでしょう。

l'estro armonico
作品のモチーフになっているヴィヴァルディの協奏曲です。
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by brighten-s | 2012-02-26 18:12 | | Comments(3)

朝散歩

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今年初めての朝散歩当番です070.gif
もうお正月気分も抜けちゃったけど...
昨日の夕方少し小雪が舞って、今朝は風が冷たい。
でも、気持ちがいい朝散歩。
こんないつもと変わらない穏やかな朝がまた巡ってくるということは、
それだけで感謝なことですね。

いつもと変わらない、いやちょっと違っていることに気がつきました?
アンディのカラーが取れました。
と言うか、取ってしまいました...
お正月だからゆっくりしたいもんね029.gif
目薬は頑張ろうね。


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お正月に読んでいた本。
2010年のニューベリー賞受賞作品です。
少女ミランダが、こんがらがった日常のいろいろを、
不思議なメモをきっかけに乗り越え成長していく物語。

「出会う」ということは大きな刺激を与えてくれる、いいようにも悪いようにも。
「出会う」は自分から向かっていくように受け取れるけど、
原題は「When you reach me」。
向こうから近づいて来てくれるんだ!と気付きました。
私を見つけてくれる、思ってくれる、心にかけてくれるだれか。
視点を変えてくれた本でした。
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by brighten-s | 2012-01-05 12:45 | | Comments(2)

くじけずに

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朝の連続テレビ小説で、
陽子先生が大切にしていた詩が心に残り、
読んでみました。

本自体は子供向けで様々な人の生き方を集めたもの。
最後のパナマ運河を築いた人の話が胸を打ちました。
地形、技術、コスト、風土病…幾多の試練を乗り越えて、
たくさんの犠牲を払い、
粘り強いリーダーたちによって、
不可能に思えた計画が完成したのです。

最近もう一冊読んだのが三浦綾子の「泥流地帯」。
大震災が起きた今だからこそ読むべきと教えられ、
三浦文学を初めて読みました。

十勝岳の大噴火でやっとつかんだ幸せも奪われる。
でも主人公の兄は熔岩の原で、
もう一度農業をすると誓う。
「報われない苦労は人生の宝だ」
兄のような生き方が真の生き方ではないかと思いました。

  「天には黒くも、
   地には争いが絶えなかろうと、
   いつも心に太陽を持て」
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by brighten-s | 2011-08-11 16:19 | | Comments(0)

つながり

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学生時代、福永武彦を愛読していました。

10年ほど前、初めて北海道を訪れ、
広い大地に何とも言えない寂しさを感じました。
歴史博物館やアイヌ部落に行ったことが印象を強めたかもしれません。
帰宅後、すぐに朝日新聞で連載されていた「静かな大地」を買い求めました。
その語り口や世界観がとても馴染み、
久々に手元に置きたい1冊になりました。

著者池澤夏樹、その人が福永武彦の息子であったことを去年知りました。
「ああ、そうだったのか」
それによって、私の中にあるものも変わってないことがわかり、
少なからず驚いたものです。

昨年末に図書館で池澤夏樹のエッセー集を借りました。
「風神帖」
その中に星野道夫と須賀敦子への評論がありました。
2人とも私の好きな作家です。
評論と言うより、友人としての温かいまなざしに満ちたレクイエム。
読みながら、どうしてこんなに心に染みいるんだろうと、
思いも寄らなかったつながりの発見に感激しました。
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by brighten-s | 2011-01-06 12:10 | | Comments(0)

じんわり

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漫画はあんまり得意ではないけれど、
「夕凪の街桜の国」を勧められて、
読んだら不思議な感情が湧きました。
いつもは通り過ぎてしまう気持ちに
気付いたというか…

これはやはり広島の原爆を題材に
少し離れた呉市の暮らしから描いています。
戦争がいかに人々の生活を脅かしたか。
その中で、みんながどれだけ人間的に生きたか。

「この広島で、よう生きとりんさったね」
生きること、再び会うこと、助け合うこと、
それがどれだけ尊いかを教えてもらいました。

台詞のないコマが
なんでこんなに心にしみるんだろう。
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by brighten-s | 2009-12-05 12:32 | | Comments(0)

積ん読

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「御宿かわせみ」大好きのお隣りさんから、いつも読み終わったものを回していただいて、チャッカリお相伴にあずかっています。かわせみは私にとって実家のようなもの。おいしい食事と気持ち良い布団、それに温かい人の情に触れながらゆっくり味わいます。新シリーズは明治に入り、東吾さんが行方不明で登場人物も世代交代。そんな中、知らない間にお隣りさんは「居眠り磐音」に心移りしていました…。さっきどっさり届いた江戸双紙、さあこれから挑戦です。どんなお江戸に出会えますやら。
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by brighten-s | 2009-11-02 20:05 | | Comments(0)